続「建設倫理考」 サスティナブル建設経営
―ゼネコンに、いま何が求められているか
―
鈴木啓允
日刊建設工業新聞社発行
相模書房 販売 1.600円
推薦文・・・・東京電機大学名誉教授
中野清司
とにかくこの本は面白い。‘建設経営”の実体を解剖しながら、現在の社会に内在
する病原菌を一つ一つ暴き出してくれる。著者のメスの切れ味はまことに小気味よい
ものであり、難しいことを分かり易く説明してくれるし、またうっかり見過ごしがちな事柄
の重要性に気付かせてくれる。さしずめ現代版の解体新書の趣がある。
通読して気が付いたことは‘建設経営”を考えることは、とりもなおさず一国の、また人
類の文化を考えることになるということである。本書の話題の、哲学、宗教、歴史、経済、
法制、技術、技能と実に広範囲である。
つまり文化全体を見据えなければ建設経営の実態に迫ることは出来ないということを手
際よく解説してくれる。そして、人類の営みは‘環境”と‘倫理”に支えられてこそ、生き続
けられることを示している。
現在、未来における‘建設経営”の問題解決の鍵は環境と倫理にあるということである。
本書は身近な話題を通して、現在の社会を考え直すきっかけを与えており、建設経営関
係者のみならず、次世代を担う人々に一読をお進めする。
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