1.日仏景観会議の目的
日仏景観会議は、日本の都市や地域の景観について、生活環境の整備、自然との
調和と共生、伝統や美意識に基づく文化などの広範な問題を、フランスとの情報交流
を行いながら、国際的な視野にたって議論することにより、ひろく景観に対する意識の
向上を図るとともに、優れた景観の形成に寄与することを目的としています。
2.日仏景観会議開催の経緯
日仏景観会議は、1999年に埼玉県吉田町で開催されたのが最初で、吉田町のまち
づくりに関与していた日本の建築家とその友人のフランスの建築家(フランス政府顧問建
築家)を講師として、吉田町の景観問題について議論する催しが開催され、同年は東
京都においても、同じ講師による
講演と討論などの催しが行われました。
その結果、このような会議を継続して
実施することが望ましいという機運が高まり、その
後毎年次のように各地において、日仏の建築家などが参加して開催されてきました。
1999年
6月 埼玉県吉田町 及び 東京都(日仏会館)
2000年 9月 神奈川県鎌倉市
及び 山形県新庄市
2001年.11月 高知県高知市
2002年 5月 鳥取県倉吉市 及び 東京都(日仏会館)
2003年 9月
滋賀県彦根市 及び 東京都(日仏会館)
2004年 10月
富山県高岡市 及び 東京都(日仏会館)
会議は当初から毎回開催地で組織する実行委員会が主催し、開催地の自治体やフラ
ンス大使館の後援を得て行われ、その成果は関係各方面から評価を受けてきました。
特に建築家等の派遣費を負担するなど、当初からこの会議に理解を示していたフランス
大使館からは、継続して支援することの表明がありました。
このような推移の中で、
会議を計画的に運営するために一定した主催者の必要性が生じ、2002年から建設環
境情報センターがその役割を担う立場で主催者として加わることになりました。
2002年及び2003年の会議は文化庁及び国土交通省の後援を得て開催され、多くの
成果が得られまし。2004年は「人、行き交う美しき“景”」をテーマとして、富山県高岡市
及び東京において開催されることになりました。
3.建設環境情報センターが主催する理由
建設環境情報センター(CEIC)は、「建設倫理」をテーマとして、その構築と実践を目
指して、啓蒙普及、調査研究、技術支援などの事業活動を通じて、 社会に貢献した
いという趣旨で2000年7月に東京都の認証を受けて設立されたNPO法人です。
建設倫理とは、環境倫理、技術者倫理、経営倫理などの建設行為に関係するすべてを
対象としたもので、事業活動の例としては
『建設環境倫理セミナー』の開催などがあり
ますが、景観問題も大きなテーマのひとつです。
このように、日仏景観会議の目的がCEICがNPO活動に掲げている<まちづくりの推
進を図る活動><国際協力の活動>にあてはまることと、日仏景観会議の当初からの
企画者や関係者がCEICの会員になっていることから、CEICが2002年の東京におけ
る会議の開催から主催者となり、会議全体の総合調整と東京で開催する会議の運営を
担当することが決定しました。 CEICでは日仏景観会議をより充実発展させるために
会議の目的、運営方針、実施要領などを定めましたが、後援機関であるフランス大使館
国土交通省などからは、今後の活動方針についても十分な理解を得ているところです。
4.日仏景観会議の運営方針
日仏景観会議は、今後次のような運営方針によって行う計画です。
@会議の開催は年1回とし、開催を希望する地域の会場及び東京の会場で開催する。
A会議の開催は開催地域が主催者となり、建設環境情報センター(CEIC)が共同主催
者として主体的に総合調整を行う。
B会議の主題は景観に関する地域の具体的な問題の解決に寄与するものとし、ひろく
地域住民の参加を求める。
C会議の主な内容は講演及び公開討議とし、
講師として主題に適したフランス及び日
本の専門家 に依頼し、日本側は開催地域の関係者を加える。
D会議の開催にあたっては、できるだけ国の関係機関、自治体、関連諸団体等の後援
を得て、公共性の向上を図る。
E会議の結果を刊行物、諸媒体を通じて公表し、景観問題の啓蒙普及に努める。
F当面フランスとの連携関係を強めて、フランスにおいても同様な会議を開催すること
を目指すとともに、他の諸国との連携関係に広げることにも努める。